僕たちが何気なく使っている「動物園」という言葉の語源をを御存じだろうか。単純に
 動物がいる公園だからそうなったのだと考えている人が多いと思うが、これには歴史的に
 も立派な命名者が存在している。それは1866年に海外を視察して帰国した福沢諭吉が
 『西洋事情』という著書の中で、初めて動物園という言葉を使ったのだそうである。その
 頃日本にはまだ動物園らしきものは存在してなかったが、1882年(明治15年)上野
 に我国最初の動物園が誕生した。元々宮内省の管轄であったが下賜され、今でも恩賜上野
 動物園と呼ばれるのはその為である。ちなみに世界初の動物園は1828年に英国のロン
 ドン動物園である。そしてこの偉大なる動物園を『THE ZOO』と呼んだところから
 ZOOが動物園の総称として使われるようになったのである。
  現在、動物園の入園料はまちまちだが、植物園、博物館、遊園地などと併設されている
 園は多少高いこともあるが、僕の訪ねるところは大抵300円から600円位である。
 東京の上野と多摩の場合は大人600円、中学生200円、小学生以下と65歳以上は無
 料となっている。開園当時の上野動物園では平日1銭、日曜二銭(小人半額)だったそう
 だから、物価や動物園の規模から見ると現在よりかなり割高のように思う。
  ずっと以前に友だちのお父さんが、戦後まもない頃に再開した上野動物園で、動物たち
 の飼料不足から、カボチャの種を二合持って行くと入園できたと話してくれたことがあっ
 た。僕はその時はそれほど気にも留めていなかったが今思い出し ながら、そなこともあ
 ったんだと妙に納得してしまうのである。
 動物園に頻繁に出かける僕は、時々冗談で「定期券が欲しい」
 なんて言っているのだが、外国の動物園には本当に定期券を発
 行しているところもあるそうだ。動物を見に来る人だけでなく
 新聞を広げお茶飲みながら午前中をのんびりと過ごすためにや
 って来る人も多いのだとか。
 きっと動物園の環境が素晴らしいのだろう。お国柄の違いとは
 いえ、何とも羨ましい生活ではないか。 
  動物園で撮影していると、いつの間にか撮影には直接関係な
 いが面白い動物園の雑学の知識が蓄積され、段々とマニア?ら
 しくなってきて楽しい。いや、恐ろしいと言ったほうが良いだ
 ろう。あまり学問的になると僕はきっとつらくなるだろうから
 いい加減にしておくことにしよう。
 だが、こんな雑学的考察が『動物園撮影学』として僕には必要
 なことなのかも知れない。

 (注、平成11年記す)